MQL5 無料EA -バックテスト検証 11「SimpleCoreRanger standard」
「バックテスト検証」シリーズでは、MQL5コミュニティに登録されている無料EAについて、バックテスト結果からそのパフォーマンスを検証しています。皆様のEA選択の際の一助になれば幸いです。
※MQL5コミュニティーからEAやインジケーターをダウンロードするには会員登録(無料)が必要ですので、こちらの記事を参考にアカウントを作成しておきましょう!
第 11 回目は「SimpleCoreRanger standard」です。
「SimpleCoreRanger standard」について
MQL5の公式ページからの引用
概要
- SimpleCoreRangerは、中央価格帯ではショートとロングを、チャートの端ではショートのみ、またはロングのみの取引を行うグリッドトレード(リピート系)EAです
- ペアに縛りは一切なく、あらゆるペアにて利用が可能です
- “EURUSD","USDJPY"といったFXペアだけではなく、"S&P500(CFD)", “XAUUSD(先物)", “BTCUSD(暗号通貨)"などに対しても利用可能です
- レバレッジ・FX業者についても制限は一切ありません
- 時間軸については、内部で月足を使っています。MT5側で、EAを稼働させるチャートの時間軸を調整する必要はありません
ロジックとパラメーター
取引ロジックや、パラメーターなどの仕様については、MQL5で記述可能な文字数を超えてしまったため、ホームページに記載しています。
サンプルパラメーター
作者のマシンで最適化した結果の一例です
- AUDNZD
Variable Value
pricePeriod 24
coreRange 0.2
positionHalf 23
positionCore 35
minTP 50
maxTP 260
「SimpleCoreRanger standard」のトレードの様子
グリッドレンジの決定
現在のローソク足から、過去[PricePeriod]ヵ月間の最高値( Highest ),最安値( Lowest )を元にトレード戦略を立てます。
トレードについて
- トレードは全て成り行き注文にて行われます。 指値注文は一切行いません
- これにより、Spread拡大時のトレードを抑制することが可能になりました
- グリッドトレードなので、ストップロスは設定しません
- トレードは大きく分けてcore range内と外で大きく大別されます
- core range内では、ショートトレードとロングトレードの双方が行われます
- core rangeの上では、ショートトレードのみ行います
- core rangeの下では、ロングトレードのみ行います
- core rangeの上限下限は、それぞれcoreHighest・coreLowestになります。
各ポジションのTPおよびトレード間隔
同じ方向へのポジションは各 interval ごとに1つです。
※ interbalの計算式については、オリジナルのページをご覧ください。
https://ramune.online/invest/2022/10/30/simplecoreranger_ja/
AUDNZDでのバックテスト
- 口座: NZXゼロ(ECN)(NOZAX)
- 初期残高: 10,000ドル
- 通貨ペア: AUDNZD#
- ロット: 0.01 Lot
- パラメーター: 前述の作者のPCで最適化した値
- 期間: 2013 年1月1 日~2022年11月30日
このEAは、グリッドトレーディングのシステムでありながら、かなり含み損(Equity Drawdown Maximal)が小さい部類に入るように思います。Core Rangeという考え方(ロジック)の優位性が伺えます。
しかし収益性はあまり高くはありません。そのため、含み損に対する許容度と取引ボリュームとのバランスをとって、ロット数を上げたいところです。0.01Lotの運用でも、10年間のバックテスト期間中、1,000ドル強の含み損を抱える可能性があります。運用される際には、そのことを認識した上でロット数をお決めください。
また最適化についての指針(パラメーターの数値の範囲)なども、作者のページに記載がありますのでご一読ください。