MQL5 無料EA -バックテスト検証 13「Short Grid MT5」
「バックテスト検証」シリーズでは、MQL5コミュニティに登録されている無料EAについて、バックテスト結果からそのパフォーマンスを検証しています。皆様のEA選択の際の一助になれば幸いです。
※MQL5コミュニティーからEAやインジケーターをダウンロードするには会員登録(無料)が必要ですので、こちらの記事を参考にアカウントを作成しておきましょう!
第 13 回目は「Short Grid MT5」です。
「Short Grid MT5」について
MQL5の公式ページからの引用(翻訳)
「Short Grid MT5」はATR、平均足、アリゲーター、RSIを使用するエキスパートアドバイザーです。ロットサイズは自動的に計算されます。
最適化された設定(SETファイル)が公式ページのコメント欄で公開されています!
(ただし、ご自身の利用環境でバックテストを実施し、納得された上で使用するかどうかをご判断下さい。)
パラメーター:
- – Initial Volume(初期ロットサイズ)… 0.01 Lot … 非マーチンゲール
(例:3 = 10,000ドル毎に0.03ロット) - – Grid Size
- – Multiplier
- – Take Profit
HEIKEN SETTINGS
- – Heiken Period
- – Heiken Value
GATOR SETTINGS
- – Gator Period
- – Gator Value
- – Jaws Period
- – Jaws Shift
- – Teeth Period
- – Teeth Shift
- – Lips Period
- – Lips Shift
RSI SETTINGS
- – RSI Period (ATR)
- – RSI Value (ATR)
- – Period
- – Value
「Short Grid MT5」のトレードの様子
このEAはその名の通り、Short(売り)のみの Grid(一定間隔)でエントリーします。一定のロットでエントリーするものの、逆行した場合、ナンピンによってポジションを増やして、戻したところでまとめて決済します。マーチンゲールタイプとは異なり、大きな含み損を抱える場面は少ないかもしれませんが、油断大敵といたっところでしょうか。
初期設定でのバックテスト結果および最適化(SETファイル適用)後のバックテスト結果について
初期設定でのEURUSDのバックテスト
- 口座: NZXゼロ(ECN)(NOZAX)
- 通貨ペア: EURUSD#
- 時間軸: EAのパラメーターでM15に設定
- 初期残高: 10,000ドル
- パラメーター: 初期設定
- 期間: 2018年1月1日~2022年12月31日
最適化(SETファイル適用)後のバックテスト結果について
NOZAXゼロ口座では、最適化ファイルを適用したバックテストは数年間でストップアウトのため完了できませんでした。十分な資金量がないとリスキーな設定のよう思います。利益率は高くないかもしれませんが、むしろ初期設定のほうが安定運用できそうです。
初期設定での長期バックテスト結果(EURUSD)について
- 口座: NZXゼロ(ECN)(NOZAX)
- 通貨ペア: EURUSD#
- 時間軸: EAのパラメーターでM15に設定
- 初期残高: 10,000ドル
- パラメーター: 初期設定
- 期間: 2008年1月1日~2022年12月31日
- このEAはマーチンゲール方式ではないので、含み損額は比較的小さめですが、それでも数年に1回の頻度で5,000ドルを超える大きめのドローダウンに遭遇する覚悟は必要です。
- MT5のストラテジーテスターレポートではEquity Drawdown Maximal (余剰証拠金最大ドローダウン)という項目が追加され、これによりトレード期間中の含み損額が明確になりました。なおEquity Drawdown Maximalの単位は、バックテスト実施時の口座通貨です。
ストラテジーテスターレポートの損益曲線は、マーチンゲールタイプやグリッドタイプのEAの場合、最終的に含み損が解消されてしまい、含み損のない直線だけが残ります。こういったタイプのEAはいきなり運用を開始するのは危険です。ストラテジーテスターレポートから含み損の大きさや頻度を正しく把握し、ドローダウンに耐え得るだけの十分な資金を充当できることを確認した上で運用開始することをお勧めします。もちろんテスト以上のドローダウンに見舞われる可能性もありますので、その点はご注意ください。