MQL5 無料EA -バックテスト検証10「RangeScalper」
「バックテスト検証」シリーズでは、MQL5コミュニティに登録されている無料EAについて、バックテスト結果からそのパフォーマンスを検証しています。皆様のEA選択の際の一助になれば幸いです。
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第 10 回目は「RangeScalper」です。
「RangeScalper」について
MQL5の公式ページからの引用(翻訳)
このEAの戦略はナイトセッション中のトップとボトムを検出することに基づいています。低ボラティリティによって特徴付けられるナイト・フラット・レンジは、通常、アジア・オセアニアセッション中、続きます。多くのナイトスキャルパーは、小さな利益とそれを帳消しにするような大きな損失という弱点を持っています。このスキャルパー(EA)は、ボラティリティが高く、大きな損失を出す可能性のある日を避けるために、ニューラルネットワークを使用します。ニューラルネットワークは現在EURUSDペアで学習されており、今後、より多くのペアが追加される予定です。
入力パラメータ
(= 初期値)
- EA_Magic = 99977
- maxlot = 0.10 … スリッページが発生する前の最大ロット [0 – 無効]
- fixedLot = 0 … 固定ロット [0 – 無効]
- Percent_loss = 1 … 取引ごとの損失率 [最大ポイント損失500(50pips)から計算]
- Back_Test_Settings = バックテスト時のみブローカーのGMTオフセット値を設定する
- GMT_Offset_hours = 3
必要条件
- Symbol(シンボル) : EURUSD
- Timeframe(タイムフレーム): M5
- Account type(アカウントの種類): HEDGE
- 低スプレッド + 高い約定力
バックテストを実施して、ご利用予定のブローカーで利益を上げることを確認した後、ライブ口座でテストするのが安全です。ライブ口座でEAが数回取引を行った後、そのブローカーがストラテジーに適しているかどうかが明確になります。
「RangeScalper」のトレードの様子
- ボラティリティーが下がったアジア・オセアニアセッション時間帯の小さなトップとボトムを捉えていることがわかります。
- このEAはロットの取り方が特徴的で、同じ時間に分散して取得し(決済も同じ)、スリッページによる損失を最小にしているようです。ロット数が増えると、分割されて、同時に保有するポジション数が増えるようですが、パラメーター設定とロットの取り方(分割の仕方)との間の関係については、よくわかりません。このEAを使用される場合は、運用予定の残高設定でバックテストし、ロットの取り方を理解された上で実運用に入ることをお勧めします。
「RangeScalper」のバックテスト
- 口座: NZXゼロ(ECN)(NOZAX)
- 通貨ペア: EURUSD#
- 時間軸: M5
- 初期残高: 100ドル
- パラメーター: EURUSD symbol only = EURUSD#, GMT_Offset_hours = 1、 以外は初期設定のまま
- 期間: 2012年12月1日~2022年11月30日
この種のEAは、初期設定(初期ロット)のままでは、収益が少なく物足りないと感じる場合が多いです。しかし、トレード毎の損失は限られており、含み損を長期間抱えるタイプではありません。よって、実際にドローダウンに遭った際に、どの程度のマイナスであれば許容できるのかを勘案してロット数を決めること、つまり利益と損失のバランスを取るのが最大のポイントです。