MQL5 無料EA -バックテスト検証 21「CAP Adx Trader EA MT5」
「バックテスト検証」シリーズでは、MQL5コミュニティに登録されている無料EAについて、バックテスト結果からそのパフォーマンスを検証しています。皆様のEA選択の際の一助になれば幸いです。
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第 21 回目は「CAP Adx Trader EA MT5」です。
「CAP Adx Trader EA MT5」について
MQL5の公式ページからの引用(翻訳)
CAP ADX Trader EAは、Average Directional Index (ADX) Indicatorを使用して取引します。カスタマイズ可能なAverage Directional Index (ADX)の取引シナリオや柔軟なポジション管理設定に加え、カスタマイズ可能な取引セッション、マーチンゲールモードやインバースマーチンゲールモードなど、多くの便利な機能を備えています。
- 使いやすくカスタマイズ可能なAverage Directional Index(ADX)設定
- グリッドトレーディングの有効化
- ブレークイーブン、SL、TP、トレーリングストップのカスタマイズが可能
- ECN/非ECNブローカーで動作します
- マーチンゲール機能の実装
- インジケーターの設定をカスタマイズ可能
- セッションによるフィルタリング取引
- 内蔵されたマネーマネジメント
- ニュースフィルター内蔵。EAがニュースサイトからニュースデータを自動ダウンロード
このEAは、以下のエントリー戦略を実装しており、任意に有効・無効を設定することができます。
- ADXによってトレンドの有無を判断し、取引するか否かを決定する。
- +DI/-DIを重ね合わせ(位置関係によって)、売買シグナルを発生させる。
- +DI/-DIのクロスオーバーによって売買シグナルを発生させる。
4種類の取引動作が可能です。
- 両建て(ロングとショート)。ADXが強気シグナルを出したら買い、弱気シグナルを出したら売りの両方を取引します。
- 任意の1つのサイド。シグナルが最初に来た取引(買いか売りか)を片方だけオープンする。
- ロングサイドのみ。EAは強気シグナルで買い、弱気シグナルを無視します。
- ショートサイドのみ。EAは弱気シグナルで売り、強気シグナルを無視します。
さらに、4種類の資金管理モードを実装しています。
- マニュアルロットサイズ :固定ロットサイズで取引します。
- ロットサイズの自動計算:口座残高に応じててロットサイズを自動的に変化させます。
- マーチンゲール:負けトレードの後、ロットサイズを2倍にします。
入力項目
EAの入力パラメータの詳細については、ユーザーガイドをお読みください。
「CAP Adx Trader EA MT5」のトレードの仕方
ADX(Average Directional Index)インジケーターの各ラインの意味
- D+・・・買い勢力の強さを表す指標
- D- ・・・売り勢力の強さを表す指標
- ADX(Main)・・・トレンドの有無と強さを表す指標
「CAP Adx Trader EA MT5」のトレード戦略
1.ADXフィルタータイプ まず、トレンド発生時に取引するか、レンジで取引するかを選択する必要があります。
- Trade On Trending Level – ADXのメインラインがADXトレンドレベルを上回っている場合に取引します。現在トレンドが発生していることを意味します。
- Trade On Ranging Level – ADXのメインラインがADXレンジングレベルを下回っている場合に取引します。現在レンジにあることを意味します。
2.ADXエントリータイプ ADXフィルタータイプを選択した後、EAが売買取引をどのように開くかを選択する必要があります。
- D+ and D- Up & Down – D+レベルがD-レベルを上回っている場合、買いシグナルであり、D+レベルがD-レベルを下回っている場合、売りシグナルです。
- D+ and D- Cross – D+レベルがD-レベルを上回ってクロスする場合、買いシグナルであり、D+レベルがD-レベルを下回ってクロスする場合、売りシグナルです。
- No Entry Signal – エントリーを選択しない。このオプションを選択すると、EAはADXフィルタータイプに基づいて売買取引を開始します。
- このEAは初期設定ではマーチンゲールタイプのEAですが、ロット数、トレード時間、グリッド設定(使用の有無も含めて)、ストップロス、テイクプロフィットなど細かな設定が可能で、設定次第で全くタイプの異なるEAになります。
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- 34種類以上のインジケーターを内蔵しており、100万通り以上のストラテジーを組み合わせることができますので、非常に多くの機能であなたのトレード戦略をサポートします。コーディングの知識がなくても、簡単にストラテジーを試すことができます。
有料版ですが、同じ作者の商品として、CAP Strategy Builder EA MT5というEA builderが公開されています。独自のトレード戦略をお持ちの方は検討されてもいいかもしれませんね。
Stoploss値の検討
- このEAはストップロスを設定しなければ、綺麗な右肩上がりの損益曲線を示します。しかし、初期設定(Averaging 1000 point)では長期バックテストに耐えられず、以下の図のような階段状の損益曲線となります。
- 予備的な試験結果から、ADXフィルタータイプは「Trade On Trending Level」、時間枠は「M30」が適切と思われましたので、ストップロス値の検討は「EURUSD# M30、Trade On Trending Level」で実施しました。
テスト条件は、NOZAXゼロ口座(ECN)、初期残高10,000ドル、期間2013年1月1日~2022年12月31日とし、ストップロス値をStart=1000からStop=10000まで、Step=1000の10段階で比較しました。
- この条件では、ストップロスの値が2000以上であればストップロスにかからないようでした。
対応通貨ペアのスクリーニング
いつものようにMT5の「全ての気配値表示銘柄についてテストする機能」を使用してバックテストを行いました。テスト条件は、NOZAXゼロ口座(ECN)、初期残高:10,000ドル、期間:2013年1月1日-2022年12月31日、時間枠:M30、パラメーター:Trade On Trending Level, StopLoss: Averaging 2000 pointとしました。
- 比較銘柄:21通貨ペア AUDCAD#,AUDJPY#, AUDNZD#, AUDUSD#, CADJPY#, CADCHF#, CHFJPY#, EURAUD#, EURCHF#, EURGBP#, EURJPY#, EURUSD#, GBPAUD#, GBPCAD#, GBPCHF#, GBPJPY#, GBPUSD#, NZDUSD#, USDCAD#, USDCHF#, USDJPY#
- スクリーニングの結果、この設定では、EURUSD#とCADCHF#のみがストップロスにかからないようでした。
長期バックテストによる堅牢性の確認
堅牢性を見るために、EURUSD#とCADCHF#について15年間のバックテストを実施しました。ところが、いずれの通貨ペアもAveraging 2000 pointでは、2008年から2013年の間にストップロスにかかるという結果になってしまいました。
そこで、ストップロス値を3000 pointに上げたところ、CADCHF#については切り抜けることができました。
以下のテスト結果はストップロス値 Averaging 3000 pointの結果です。実際の運用の際には、余裕を見て(マーチンゲールであることをお忘れなく)、更にストップロス値を上げておく必要があります。
CADCHF# M30
- 口座: NZXゼロ(ECN)(NOZAX)
- 初期残高: 10,000ドル
- 通貨ペア: CADCHF#
- 時間枠: M30
- パラメーター: Trade On Trending Level, StopLoss: Averaging 3000 point
- 期間: 2008 年1月1 日~2022年12月31日
ご紹介した設定では、比較的、含み損は小さく抑えられましたが、収益性はあまり高くはありません。そのため、含み損に対する許容度と取引ボリュームとのバランスをとって、ロット数を上げたいところです。しかし、いつも言うようですが、ナンピンマーチンゲールタイプのEAには万が一のことがあり得ますので、そのことを念頭に入れた上でロット数をお決めいただき、バックテストで挙動を確認してくださいね。