MQL5 無料EA -バックテスト検証 16「Synapse smart EA MT5」
「バックテスト検証」シリーズでは、MQL5コミュニティに登録されている無料EAについて、バックテスト結果からそのパフォーマンスを検証しています。皆様のEA選択の際の一助になれば幸いです。
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第 16 回目は「Synapse smart EA MT5」です。
「Synapse smart EA MT5」について
MQL5の公式ページからの引用(翻訳)
Synapse smartは将来の価格変動を高精度に予測する最新のニューラル ネットワーク アルゴリズムに基づいて作られています。EA は、サポートとレジスタンスのレベル、チャネル幅、および価格チャートの極値を考慮して、SL と TP レベルを設定するために開発したアルゴリズムを使用します。 グリッド、マーチンゲール、あるいはその他の危険な戦略を使用していません。EAは固定ロット数、資金量に応じたロット数、最大許容ドローダウンに基づいたロット数を計算できる資金管理システムを持ちます。 EAは予め最適化されているため、インストールしてデフォルトのパラメータで使用するだけで十分です。EAには設定を変更するときに間違いを犯さないようにするためのヒントのシステムもあります。 EA の制限: 2 つの通貨ペアのみ – EURUSD、AUDUSD、最大注文サイズ – 0.1 ロット。 時間枠 – H1。
パラメーター
- Instruments — 対応通貨リスト
- Order size calc. method — ロット数の算出方法
- Order size — 注文サイズ、ロット数
- Depo percent — 資金当たりの注文サイズの割合
- Max risk – 現在のストップロス・レベルにおける、入金額に対する最大ドローダウンの割合としての注文サイズ
- Orders quantity limit — 通貨ペア毎の最大注文数
- Stops auto calc. — TP値、SL値の自動計算の可否
- Trailing stop — トレーリングストップ値
- Take profit — テイクプロフィット
- Stop loss — ストップロス
- Max spread – 最大許容スプレッド
- use GUI – ダッシュボードの表示の可否
- GUI font size — ダッシュボードのフォントサイズ
- Orders comment — コメント
- Orders magic — マジックナンバー
「Synapse smart EA MT5」のトレードの様子
ポートフォリオに組み入れているTardersMind EAと同じ会社(www.halman.com)で制作されているEAで、チャート上ダッシュボードの表示形式をはじめ基本的な挙動は同じです。おそらくニューラルネットワーク実装前の基本ロジックが異なるのでしょうが詳細はわかりません。またMQL5における作者は異なっていますので、プログラマー集団としてやっているのかもしれませんね。
EURUSD、AUDUSDでの短期バックテスト
- 口座: NZXゼロ(ECN)(NOZAX)
- 初期残高: 1,000ドル
- パラメーター: 初期設定
- 期間: 2020年1月1日~2022年12月31日
EURUSD# H1
AUDUSD# H1
ここまでは完璧と言って良い成績です。
しかしMQL5公式サイトでのコメント(評価)がイマイチ…。長期バックテストを実施すると、以下のような損益曲線が得られます。ちょっと怪しい・・・。
このEAは「ニューラル ネットワーク アルゴリズム」を使って最適化されているわけなので「過剰最適化」である可能性が拭い切れません。
EURUSD、AUDUSDでの長期バックテスト
- 口座: NZXゼロ(ECN)(NOZAX)
- 初期残高: 1,000ドル
- パラメーター: 初期設定
- 期間: 2008年1月1日~2022年12月31日
EURUSD# H1
AUDUSD# H1
上手の赤枠で囲った部分の様に明確に最適化できていない部分が検出されます。最適化前の基本ロジックがある程度機能していれば、こういった痕跡は検出されにくいはずなので使用するかどうかは迷うところです。
テスト時(2月20日)において、このEAは【バージョン:2.4 アップデート済み: 27 1月 2023】のようで、直近の好成績がアップデートによる可能性も捨てきれません。
いきなりポートフォリオに組み入れるのではなく、別途デモ口座でフォワードテストして検証を続けたいと思います。